陽ちゃん物語

入社2年目、本館勤務日勤スタッフの陽ちゃんは、
グリーンコア全スタッフの中で最も若い20歳。

陽ちゃんの名前は、鈴木陽子さん。

去年、結婚のため大阪へ、泣く泣く会社を辞めていった
陽ちゃんの前任者の苗字も鈴木さんだった。

オールド鈴ちゃんとヤング鈴ちゃん。

オールド鈴ちゃんは、お客様はもちろん、上司、仲間からの信頼が
厚く、いつもニコニコ、とても感じがいいスタッフだった。

そんな人気者オールド鈴ちゃんからのバトンを受け取ったのが
当時18歳のヤング鈴ちゃんだった。

事務所にいるヤング鈴ちゃんこと陽ちゃんは、

ドギマギ、
おどおど、
びくびく、

という音が今にも聞こえてきそうなくらい緊張していて、
声も蚊の鳴くような小ささだった。

陽ちゃんを採用した入澤マネージャーに、

「なぜ、彼女を採用したの?」

と聞くと、

入澤マネージャーは、

「彼女は9人兄弟の長女だからです!
 陽ちゃんはしっかり者に決まってます。
 絶対に大丈夫です!
 僕、大家族の番組大好きなんです!」

と笑顔で即答。

まぁ、最後の一文はどうでもいいけど(=_=)

ふーん。

そうか。

とは言え、

その、

ドギマギ、
おどおど、
びくびく、

の状態はしばらく続いた。

が、

ある日の朝、

フロントの前を通った時に、
フロントの中にいる陽ちゃんから、

「社長、おはようございます。」

と声をかけられた。

それも笑顔で。

思いがけなかった。

えーーーーーーーー!
おーーーーーーーー!
すごーーーーーーい!

と思った。

陽ちゃんがフロントに立って笑ってる、と。

そして、

エライ、みんな。

と思った。

嬉しかった。

そして、昨日。

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昨日は、
勤務1年以上のスタッフが参加する社内研修だった。

研修最初に行うクリアリングと言うワークで
ピンクのカーディガンを着た陽ちゃんは、

自分のお誕生日が近い事、
お誕生日には家でお母さんが好きなものを作ってくれるという事、
自分はジャガイモが好きなのでジャガイモのお料理を作ってもらいたいという事、

そして、

「ジャガイモって美味しいですよね?」

と先輩たちに聞いちゃったりしていた。

陽ちゃんは一日中楽しそうに研修に参加していた。
「緊張している」と言っていたが、
その顔はとてもリラックスしていた。

入澤マネージャーはじめ、
井草チーフ、
ゴウ金子、
そして少々根暗の水野君、
彼らの信じる力が今の陽ちゃんを存在させている。

と彼らに言ったら、

口を揃えて、

「そんなことないっすよぉ。」

と言うだろう。

でも、そういうことなんだと思う。

彼らが陽ちゃんを信じていたからなんだと思う。

そんなふうに言うと、
感覚的に聞こえるかもしれないけど、
でも、それは、絶対に忘れてはいけない、
大事なことだと思う。

だって、

そうでなければ、

昨日の陽ちゃんはいない。

信じる。

陽ちゃん物語は、

間違いなくそこから始まっている。