一生懸命


台湾の大学を卒業し、
去年の11月にホテルグリーンコアで仕事をするために、
一人で来日した台湾人のWANG,FU-ROUさん。





ニックネームは王ちゃん。 
今年の8月で23歳になる。

名札の下につけている、
先輩手作りの初心者マークバッチが何とも可愛い。

王ちゃんは周りを優しいおせっかいにさせる天才だ。

「明るい」
「素直」
「一生懸命」

と言う三種の神器を持ち合わせていて、
周りの人はみんなコロッとやられてしまう(^.^)



王ちゃんは、目安が、

「日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、
 より幅広い場面で使われる日本語をある程度
 理解することができる」

と言うN2(日本語能力検定試験、N5がやさしくN1が難しい)
を取得しているが、

読めて、話せて、書けたとしても、
「電話で話す」ことのハードルは相当高かったらしく、

初めてのおつかいよろしく、初めての電話は、
それはそれは大騒ぎで、王ちゃんが無事電話を切った時の、
事務所を包んだ感動の興奮は想像に難くない(笑)

王ちゃんの日本語の先生は、
日本のアニメだったらしい。

ご両親の離婚後、
お兄さん、王ちゃん、妹さんの三兄弟は、
お母さんの女手一つで育てられたため、
日本語学校へ行く余裕は家にはなかったと言う。

「子供の頃から日本のアニメが大好きで、
 いつか日本へ行きたいとずっと思っていた。
 だから、アニメを何回も何回も何回もみて、
 一生懸命、日本語覚えたよ。」

と言う。

小さな頃から「いつか行きたい」と思っていた
日本へ来ることが出来たので、

王ちゃんは、毎日一生懸命働いている。

今日も、私の机が置いてある事務所から外をみたら、
ルームチェンジをされるお客様の大きな荷物を持って、
小雨が降ってきた外を王ちゃんが走っていた。


 

走る王ちゃん。




日本に来れたことを喜び、
一生懸命仕事をして、
お給料は節約して、
仕送りのために貯金をする。

11月20日から仕事を始めたので、
丸4ヶ月が経過した。

名前を憶えて下さるお客様も出てきて、
お褒めの言葉も頂くようになったと言う。

成長の近道は「ここにいる」ことへの
感謝の気持ちなのだとつくづく思う。

自分のホントの人生はここではないどこかにあって、
俺の、私の実力はこんなもんじゃないと思っている人よりも、

わかろうが、
わかるまいが、
晴れだろうが、
雨だろうが、
寒かろうが、
暑かろうが、

とにかく、いつでも、どこでも
目の前のことに一生懸命な王ちゃんは、

将来、きっと周りから頼りにされ、
必ず誰かがチャンスを運んできてくれる人になる。

そう思う。

もし、

私は目の前のことを一生懸命やっていただけだけど、
何だか、ここの仕事が、私のやりたいことになってきた、

と、

そんなことを王ちゃんの口から言われようものなら、

入澤マネージャーは間違いなく、号泣、だろうなぁ。

あ、

でもなぁ、

入澤マネージャーはすぐ泣くからなぁ( ̄▽ ̄)

あ、

王ちゃんがアパートで飼うウサギを一緒に
買いに行ったり、

王ちゃんを我が子のように可愛がっているという
噂のMさんも思わず泣くかもしれないなぁ。

Mさんが思わず泣いたら、

私も泣くなぁ、きっと。

異国の地からたった一人で、
日本へやってきた王ちゃん。

その王ちゃんの一生懸命さが、
私たちの中にある何かを、
揺れ動かしている。

いつだって、

人は人に動機づけられる。

カンパーイって感じだ。

全然飲めないけど(笑)