87歳嫁物語

一緒に生活している母と私は、
毎朝だいたい同じ時間にお化粧をしている。

母は食卓に、
私はリビングのテーブルに、
それぞれ化粧品を置いて。

今朝のその時間、
ワイドショーで流れていたのは、
カルロス・ゴーン社長逮捕のニュース。

お化粧する手を止めて、
2人でしばらくテレビを見ていたら、

母が、

「お母さん、お嫁に来てしばらく経つけど、
(そりゃ、そうだ。今年87歳ですからぁ~。)
 金子家の商売がそこそこ回っているのは、
 少なからずお母さんの力だと思ってる。」

と突然の自己開示と自画自賛。

え、え、えーーーーーーー?(@_@。

カルロス・ゴーン社長からの、
御年87歳埼玉県幸手市金子家嫁物語、

私は、

「は?なに繋がり?」

と思いながら、

「まぁ、たとえ、そうだとしても、そう言うことは、
 あんまり自分では言わないほうがいいと思うねぇ。」

と返した。

それを聞いた母は、
おでこにファンデーションを塗りながら、



「そんな、誰にも言うワケないじゃないの~。
 あんたならわかると思ったから言ったのよ。」

と言った。

会社へ向かう車の中で、そのやり取りを思い出しながら、

「そうだね。お母さんのおかげだね。」

と返せなかったことを少しだけ反省。

そう返していれば母はきっと嬉しかっただろうな、

と。

次だな、次。

とは言え、

もし、今日の夜のニュースで、
カルロス・ゴーン社長が流れた、
と同時に金子家嫁物語を語りだしたら、

「キャー、なに繋がり~?」

と頭がいっぱいになって、

優しい言葉を返せる自信はない( ̄▽ ̄)