前回からの続きです。 編み物をしている母の横を2、3回行ったり来たりしながら、 やっとの思いで聞いてみた。 私:「ねぇねぇ、幼稚園から小学校4年生まで、私は給食を 食べられなかったでしょう?覚えてる? あの時、私のことをどう思ってた? 心配してた? なんか、色々言われた記憶がないんだよね。」 母:「もちろん、覚えてるよ。心配はしていたけど、 でも、祐子ちゃんは家に帰ってくると よく食べてたから。(←おっしゃる通り(≧▽≦)) 大丈夫だと思ってた。 お父さんともそう話してた。」 私:「ふぅーん。一応、心配してたんだぁ。」 母:「そりゃ、心配してましたよ~。 でも、なんで、食べなかったの?」(←初めて聞かれた。) 私:「食べないことで親の気を引きたかったんじゃないかと思う。 でも、もし、食べろ食べろ、とか、何で食べないんだ、とか あーでもない、こーでもないと口うるさく色々言われていたら、 もしかしたら、別の違う病気になっていたような気もする。」 母:「あら、じゃあ、何も言わなくて良かったんだ。 あれはあれで良かったんだね!!」(←無邪気(*_*)) 私:「うん、良かったんだと思うよ。」 と返事をしたら、母は嬉しそうに笑った。 私もとりあえず何だか嬉しかった。 「本質行動学」の授業で「強化理論」を学んだ。 「そうしたいけど、そうできない」状態から抜け出すためには、 敢えて違う行動をして、その行動と心地いい経験を結びつけ、 その行動を強化していけばいい、と学んだ。 行動からFBまでの時間が短いと効果が大きいと学んだので、 私は母に話しかけたあと好物のリンツのチョコを食べることにした。 太る! でも、いい! はい! 会話のあと、 思い切って母に尋ねたことを振り返ってみた。 まず、最初に、 やればできる、と思った。 私に話しかけられた母は嬉しそうだったし、 やり方を肯定された母はもっと嬉しそうだった。 私は当時の母の考えを知ったと同時に、 母のことをよく知らないことに改めて気づき、 よく知りもしないのに否定するのは全然ダメでしょと思い、 母を知るために、これからは、リンツのチョコを片手に、 「話しかける」ことを決め、 チョコをパクっと食べた。 それから、数日後に母が心筋梗塞で倒れた。 弱々しい母を初めて目にした環境が、 「本質行動学」での学びを行動へと後押しした。 母が倒れてから3ヶ月。 母に対する私の行動は、明らかに変わりつつある。 都内で暮らしている双子の娘たちが帰宅し、 母と私の様子を見て、 「お母さん、おばあちゃんに優しくなった。」 と言ったので、 私の努力を延々と話して聞かせ、 「お母さん、偉いでしょ?」 と言ったら、 「うん、エライ。」 と、 珍しく褒められた(*'▽')