人の力はモノに負けない

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2月10日水曜日、有楽町の東京国際フォーラムで、
弊社も加盟している(社)全日本シティホテル連盟が、
年に一度の経営者セミナーを開催した。

私は、その経営者セミナーを企画、運営する
委員会の長を努めさせて頂き3年になる。

企画、運営に関わり始めて7、8年くらいになるかなぁ。

今年のテーマは

「業界の常識を疑うことからイノベーションは始まる」

とし、

講師には、

中古車解体業を日本の静脈産業と定義づけ、
今や全世界80ヶ国に中古車の部品を輸出され、
UAEに属する国でオークション事業も展開されている
金沢の会宝産業の近藤会長と、


車両台数100台あまり、ドライバーにノルマを課さないにも
関わらず、長野県No.1の売り上げを誇り、高い顧客満足度で
知られる長野中央タクシーの評判が評判を呼び、

銀行から築47年、稼働率30%だった長野第一ホテルの再生を
依頼され、引き受けてから6期連続増収増益、近年85%の稼働率を
達成されている長野第一ホテルの宇都宮会長のお2人をお招きした。

お2人とも「カンブリア宮殿」にご出演されている、
その経営手腕は折り紙つきの名経営者だ。

言うに及ばず、お2人のお話しは素晴らしかった。

解体屋、ポンコツ屋と言われてしまう中古車解体業界で仕事をする
人たちは、「業界のステータスを上げたい」と言うその熱い想いと
「正しい事をやろう」と言い続け先頭を走ってくれた近藤会長が
いてくれたからこそ、自分たちの仕事は世界に繋がっていて、
世界中の多くの人に喜んでもらえる仕事なんだと知ることができる。

そして、

築47年、稼働率30%、いつ自分の仕事がなくなるかと、
うつむきながら仕事をしていた長野第一ホテルの人たちは、
「人の力がモノに負けてたまるか。人はモノに負けないんだ。」と、
言い続けてくれる宇都宮会長がいてくれたからこそ、同じその場所で
忘れていた笑顔と自分の居場所を再び見出す事ができたのだろう。

始まりはいつもたった一人の使命感で、
その真摯な想いが人を動かすのだと改めて思う。

宇都宮会長が経営されている長野中央タクシーと、
長野第一ホテルにはマニュアルがないそうだ。

マニュアルがないということは、

自分たちで考え好きにやっていいと言うことで、

それは、自分の仕事と他者の仕事の境界線があいまい、

な上に、

仕事の出来栄えに差があり、

なおかつ、

寝る時間も惜しんで一生懸命仕事をする人と、

そうではない人と、

色々な人がいると言う事を意味していると思う。

要は、

そこで仕事をしている人たちを、
「規格化」しようとしていないと言う事だ。

全員同じでなくていい、
人としてそこで仕事をしてくれ、

と、

宇都宮会長はおっしゃっているのだと思う。

「築47年、設備では何一つ目立つことはないが、
 ゆえに人が際立つ。」

おーーーーーー、
そうかぁーーー。
うーーーーーー
泣けるーーーー。
入澤クーン、
泣くのは、ここだよーーーー!

これは、新築のホテルで仕事をしている人たちには
やりたくてもやれないことなのだ。

私の止まっていた思考が動き始めた。

ウォーーーーーー!
ガンバロー――――――!

っと。